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アポスティーユ・公印確認等の認証手続きについて

海外で日本の文書を使用する際に、認証手続きが求められることがあります。NotarizationとかLegalizationと呼ばれる手続きです。

例えば、提出先からのメールに、If the document was issued outside of the European Union, it should be legalized (either via the Hague Apostille or through legalization procedures).などと書いてあれば、これから述べる手続きが必要となります。

NotarizationとLegalizationは別の行為ですが、非英語圏の場合は提出先がその区別を意識していないことも多くありますので、相手先の要求を慎重に見極める必要があります。いずれにしろ、日本では俗に「外国向けの認証」等と総称されている手続きが必要になります。

さて、この外国向けの認証手続きですが、「提出先」と「提出文書」の組み合わせによって処理の仕方が無数にあります。その組み合わせによって、「アポスティーユ」・「公印確認」・「外国向け私署証書の認証」・「領事認証」のどれが必要か、決まってきます。重要なことは「提出先の要望を確実に把握する。」ことです。

これができていないと、費用と時間が無駄になります。中東など一部の国では、領事認証の手数料を大変高額に設定していたりしますので、注意しなければいけません。

以下では、アポスティーユ他外国向けの認証手続き全般について説明いたします。これらの制度については、「1.領事認証、2.公印確認、3.アポスティーユ、4.外国向け私署証書の認証」という順番で理解したほうが理解しやすいと思われますので、順に説明いたします。

 

1.領事認証とは

2.公印確認とは

3.アポスティーユとは

4.外国向け私署証書の認証とは

5.ワンストップサービスとは

 

1.領事認証とは

 

ここでいう領事とは、在日外国領事のことです。例えば、日本人がアメリカ人に戸籍謄本等の日本の公文書を見せて、それが「本物である」と信じてもらうのは難しいものです。個人の日本人には、日本の公文書の信用力を担保するだけの権威が無いからです。しかし、アメリカ人は日本にいるアメリカ総領事の権威は認めるでしょう。自国の領事が認めるのであれば信じてもいいだろう、ことになります。

そこで、日本人としては、日本にいるアメリカ総領事に文書の効力を証明してもらって、当該文書をアメリカ国内で通用させたいと考えます。そのための制度が「領事認証」であり、国際間での文書のやり取りとしては、古くから行われてきた方法です。具体的には、大使館の領事部門または領事館に書類を持ち込み、認証を頼みます。

 

2.公印確認とは

 

例えば、日本の戸籍謄本をフィリピンに提出する場合のことを考えましょう。市役所等で戸籍謄本をもらい、その足で六本木のフィリピン大使館へ行きたいところですが、それではいけません。在日フィリピン領事の認証を受けるためには、日本の公印確認が必要だからです。公印というのは、~市長の印とか~区長の印という、官公署発行の証明書に押してある印のことです。公印確認とは、その印影が本物であるということを、日本の外務省が証明することです。

在日外国領事は、「日本の外務省が認めた印影が押してある以上、この公文書は本物であろう」、と判断するわけです。ちなみに、外務省は、日本の官公署全ての印影データを照合できるので、国の機関・地方自治体の別無く公印確認を行います。在日外国領事は、領事認証の前提として公印確認を要求しますので、次に述べるアポスティーユが使えない場合は、「外務省で公印確認を受け、その後に領事認証」という手段をとることになります。フィリピンの場合でいえば、まずは霞ヶ関、次に六本木、というわけです。

 

3.アポスティーユとは

 

さて、先に領事認証というやり方がありました。しかし、いちいち領事認証を受けるのは面倒です。そこで生み出されたのがアポスティーユというやり方です。聞きなれない言葉かもしれませんが、「Apostille」と綴る仏語由来の言葉です。「付箋による証明」と訳されたりします。日本国内の官公署で発行された公文書が確かに日本のものであるということを、日本国外務省が対外的に証明してくれる制度です。

具体的には、戸籍の全部事項証明書等の公文書を外務省に提出し、同省発行の証明書をホッチキス止めしてもらいます。「ハーグ条約」という条約により認められたやり方です。これで、領事認証のために大使館を回る手間がなくなり、利便性が向上しました。

ただし、下記の点に注意が必要です。

アポスティーユはハーグ条約加盟国が提出先でなければつかえない。

アポスティーユは、日本国の官公署が発行した「公文書」にしか使えず、契約書等の「私文書」に直接アポスティーユを受けることはできない。

アポスティーユが使えるはずのハーグ条約加盟国であっても、文書の種類によってはアポスティーユが使えない場合がある。

 

4.外国向け私署証書の認証とは

 

公印確認もアポスティーユも、「公文書」にしか使えませんでした。しかし、契約書や民間の技術資格証明書、日本語文書の翻訳文など、「私文書」の提出を求められることは多々あります。その際に利用するのが「外国向け私署証書の認証」という手続きです。

これは、私文書であっても公証役場で公証人の認証を受け、法務局長による公証人押印証明があれば、外務省の認証を受られるようにする、という制度です。すなわち、公証役場等を経た私文書を公文書に準じて扱いますので、先述の公印確認やアポスティーユにつなげることができるというわけです。

 

5.ワンストップサービスとは

 

外国の機関・取引先等から、日本で発行された書類の翻訳文(私文書)の提出を求められたとしましょう。 そして、提出先はハーグ条約に加盟しているとします。この場合、まず翻訳文を作り、公証役場に赴き認証を受け、次に地方法務局へ郵送で「公証人押印証明申請」をし、戻ってきたら外務省へ郵送でアポスティーユを申請する、というのが原則です。

原則に対して、例外があります。日本国内で、東京と神奈川のみ、公証役場に行くだけでアポスティーユまで完了します。公証役場一箇所だけで終わるので、ワンストップサービスといわれます。ただし、公印確認の場合は領事認証が待っていますので、本当の意味でワンストップサービスとなるのはアポスティーユが使えるハーグ条約加盟国だけといえます。

ちなみに、当事務所が認証業務を効率よくこなせるのも、このワンストップサービスがあるおかげといえます。現時点で、東京・神奈川以外にワンストップサービスは実施されていません。

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